運動会について考えること

近年、運動会で順位をつけない学校が増えています。その背景には、「みんなで一緒に楽しむ」「競争よりも協力を大切にする」といった理念があるのは理解できます。しかし、私はこの風潮に少し違和感を覚えます。今回は、運動会で順位をつけないことへの反論を、私なりの考えとともに綴ってみようと思います。

なぜ、順位をつけることが大切なのか?

運動会は、ただのお遊戯ではありません。練習を重ね、自分の力を最大限に発揮し、その結果として順位がつく。このプロセスこそが、子どもたちの成長に欠かせないと考えています。

 

1.努力が報われる喜びを学ぶ

「徒競走で1番になりたい」「リレーでクラスの勝利に貢献したい」という思いがあるからこそ、子どもたちは一生懸命に練習します。順位という明確な結果があるからこそ、努力が報われる喜びを知り、次へのモチベーションにつながるのです。順位をつけなければ、その感動や達成感は半減してしまうのではないでしょうか。

2.悔しさをバネにする力を養う

順位がつくということは、当然、勝つ子もいれば負ける子もいます。負けた時の悔しさ、それは決してネガティブな感情だけではありません。「次はもっと頑張ろう」「どうすれば速く走れるようになるだろう」と考えるきっかけを与えてくれます。この「悔しさをバネにする力」は、子どもたちが生きていく上で、困難に直面したときに立ち向かうための大切な力になります。

3.社会の縮図を体験する

社会に出れば、私たちは常に「競争」の中にいます。受験、就職活動、仕事での昇進など、様々な場面で他人と比較され、評価されます。運動会での順位付けは、そうした社会の現実を体験する良い機会です。ルールの中で正々堂々と競い、勝敗を受け入れる。これは、社会性を身につける上で非常に重要な経験です。

 

「みんな一緒」では見えないものがある

「みんなで楽しむ」という理念は素晴らしいものです。しかし、「みんな一緒」にこだわりすぎるあまり、個々の頑張りや個性が見えにくくなってしまうのは本末転倒ではないでしょうか。

順位をなくすことは、競争から生まれるドラマを奪うことにもつながります。転んでも立ち上がり、必死にゴールを目指す子。惜しくも負けて涙を流す子。それでも互いの健闘を称え合う姿。これらは順位という結果があるからこそ生まれる感動であり、観客である親たちにとっても、忘れられない思い出となります。

もちろん、競争には過熱しすぎるリスクもあります。しかし、それは順位付けそのものの問題ではなく、指導者のあり方や親の態度によってコントロールできるはずです。

最後に

私は、運動会における「競争」は、子どもたちにとっての大きな学びの機会だと信じています。勝って喜び、負けて悔しがる。その一つひとつの経験が、子どもたちの心を豊かにし、成長を促します。

運動会の本質は、ただ楽しむことだけでなく、自分の限界に挑戦し、仲間と協力し、そして結果を受け入れることにあるのではないでしょうか。順位をつけることは、その学びをより深く、より意味のあるものにしてくれると、私は考えています。

皆さんは、この問題についてどう思いますか?ぜひ、ご意見をお聞かせください。

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