皆さん、お子さんの学力向上について考えるとき、何を思い浮かべますか？ 「もっと真面目に勉強してほしい」「周りの子と仲良くして、良い影響を受けてほしい」など、道徳的な側面を重視される方もいらっしゃるかもしれませんね。もちろん、道徳心は人間形成において非常に大切です。しかし、こと学力向上に限って言えば、実は道徳よりも日々の「習慣」の方がはるかに重要なのです！

今回は、なぜ道徳よりも習慣が学力アップの鍵を握るのかをお話ししていきます。

 

道徳は「心」、習慣は「行動」

 

道徳とは、簡単に言えば「心のあり方」です。「真面目に物事に取り組む」「友達に優しくする」といった内面的な規範や価値観を指します。一方、習慣とは「繰り返される行動」のこと。「毎日決まった時間に机に向かう」「宿題を終えてから遊びに行く」といった、具体的な行動パターンを指します。

学力は、知識の習得や問題解決能力の向上によって培われます。これらは、心のあり方だけではなかなか身につきません。具体的な行動を繰り返すことで、はじめて定着していくものなのです。

 

習慣が学力に与える具体的な影響

 

では、習慣がどのように学力に影響するのか、具体例を挙げてみましょう。

 

• 学習時間の確保: 「毎日30分は勉強する」という習慣があれば、たとえその日の気分が乗らなくても、自然と机に向かうことができます。道徳的に「勉強は大切だ」と思っていても、具体的な行動が伴わなければ、学習時間は増えません。
• 効率的な学習: 「予習・復習を欠かさない」「間違えた問題を解き直す」といった習慣は、知識の定着を飛躍的に高めます。これらの行動が習慣化していれば、特別な努力なしに、効率の良い学習サイクルが生まれます。
• 自己管理能力の向上: 計画的に物事を進める、誘惑に打ち勝つといった習慣は、自己管理能力を養います。これは、学業だけでなく、将来社会で活躍するためにも不可欠なスキルです。
• 継続力と自信: 毎日少しずつでも学習を続ける習慣は、小さな成功体験を積み重ね、自信につながります。この自信が、さらに学習意欲を高める好循環を生み出すのです。

道徳心がどれほど高くても、「明日から頑張ろう」と先延ばしにしてしまったり、誘惑に負けてしまったりすれば、学力向上にはつながりません。しかし、「毎日やる」という習慣が根付いていれば、たとえ道徳的なモチベーションが一時的に低下しても、自動的に学習が進んでいきます。

 

「良い習慣」を身につけるには？

 

では、学力向上につながる良い習慣を身につけるにはどうすれば良いのでしょうか？

 

• 小さなことから始める: いきなり完璧を目指すのではなく、「まずは5分だけ」「1日1問だけ」など、無理なく続けられる小さな目標から始めましょう。
• 環境を整える: 集中できる学習スペースを作る、誘惑になるものを置かないなど、習慣化しやすい環境を整えることも大切です。
• ルーティン化する: 「学校から帰ったらまず宿題」「夕食後にお風呂に入ったら読書」など、特定の行動と結びつけてルーティン化すると、習慣として定着しやすくなります。
• 成功を可視化する: カレンダーにチェックマークをつける、記録をつけるなど、自分がどれだけ継続できているかを可視化すると、モチベーション維持につながります。

 

もちろん、道徳は人間としての土台を築く上で非常に重要です。しかし、学力向上という明確な目標があるならば、まずは「良い学習習慣を身につけること」に焦点を当てる事が賢明です。

 

お子さんの学力アップを願うなら、ぜひ今日から「習慣」の力に注目してみてください。小さな一歩が、将来の大きな飛躍につながるはずです！